この日は全12回 シリーズの第2回目
テーマは「感じる」
『頭』だけの人工知能は存在しない
見たり・感じたりする『身体』=『ロボット技術』があって、初めて人工知能は発達する
🌼『形容詞的』『副詞的』概念について
例えば、人工知能が「荷物を運ぶ」ことを学ぶとき、「どういう行動をしたら、どういうことが起こるのか」という膨大な試行錯誤の経験を蓄積していく
『形容詞的』『副詞的』概念は、
普通はこうだ!
いつもはこうだ!
という試行錯誤の経験があって、初めて「この荷物は、大きい」「いつもより速く運んだ」といった、相対的な評価ができる
『感じる』ことで、形容詞的・副詞的な概念を獲得できる
🌼『真似る』ということ
例えば、手術の縫合などは、模倣学習・見真似学習させるが、模倣学習には、「自分の身体に対してのイメージと、自分が見ているものに対してのイメージの対応関係」が取れないとできない
人間は、ゼロから学習すると大変なことを、模倣学習をすることで高速に取得していく
そして、だんだん頭の中でシミュレーションできるようになり、一連の行動をチャンク(塊)化できる
すなわち、右足をどうだ、左手をどうだ、としなくても「荷物を運ぶ」ことができる
🌼『感じること』と『考えること』の関係
スポーツは、まずやってみて、後から、なぜ良かったか・悪かったのか考えている
『感じる』ことがベースにあり、それを加速化させるために『考えている』
脳が体を動かしてるように思うけれども、最近の脳科学では、体が動いてるから、脳がその意味を解釈している
🌼『意志』『意識』について
私たちは、本当に考えて動いているのか?
神経学者ベンジャミンリベットの実験
ある動作を起こす「意識的な決定」の前に、「意識的な決定」を促す「無意識的な脳活動」がある
例えるなら、「人間の意識」は、会社の取締役会のようなもの
取締役が意識しなくても、事業活動は各事業部が自動的にやっている
各事業部で解決しきれない問題が、取締役会まで上がってくる
意識に上るのは、相当大きな問題だったり、予想と違うものだったりするのではないか
例えば、卓球のような反射的なスポーツでは、考えなくても上手くできる選手が、考え出したら上手くできなくなることがある
「考える」=「言葉にする」というのは、情報を削ぎ落とすこと(データの圧縮)
無意識でやっていたことが、落とされてしまう
でも言葉にすることで、保存性を良くしている
言葉にして貯めることができるので、先に繋げることができる
情報の多くを、人間は知らないけども感じている
そのデータから、人間の脳が重要なところだけを抽出し、意識に上らせている
ほとんどの部分は、人間は感じてはいるけども、自分では理解してない
感じる=情報を集める
考える=編集する
AI開発において、考えることが大事だと思っていたけど、今では、膨大な『感じる』ことに支えられている
次回は10月20日、テーマは『発想する』
これまた、楽しみ。